雨が降ったら傘を2本持って出ろ

ニューヨークでも急な雪や雨があります。その度にあるビジネス書のフレーズを思い出します。

「雨が降ったら傘を2本持って出ろ」

1本は自分の為に、もう1本は売るためなのです。「え?」と思いますよね。確かに急な雨なら傘は売れるでしょう。でも、日本人だとこれって人の弱みにつけこんだ酷いビジネスじゃないか!と思ってしまいますよね。

しかし、ここニューヨークでは、「雨の日にいち早く傘を売っくれる便利な人だ!」と感謝されるのです。 買う買わないはお客様がが決めることなので、売っている人への批判はないのです。商売とは人の弱みにつけこんで足元を見てするものではなく、「人々が必要な物を必要な時に提供する」ことなのです。

$5の投資で信頼を!

さて、ニューヨークでは、雨が降るやいなや、路上で傘を1本5ドルで売る人が本当にあっと言う間に出てきます。(笑)「アンブレラー、ファイブダラー」と叫んでいます。

誰かと待ち合わせをしている時の突然の雨、傘を買わなければどこかで雨宿りをするしかありません。それか、びしょびしょに濡れる事を覚悟して走るかです。(笑)

「遅れてごめんなさい。急な雨で雨宿りしていました。」

これは最悪の言い訳です。濡れて走るか、傘へ$5ドルの投資をして約束の時間を守らないとあなたの信頼は失われています。先方は「私のアポは$5の価値もないのか、、。」と心で思っているのですから。

先日、急な雨が降っていたので、最寄りの地下鉄の出口で傘を買い、自宅まで歩きました。自宅のカノピーで雨宿りをしている人がいたので、買ったばかりの5ドルの傘を差しあげました。その方にはとても感謝されて、5ドル以上の幸せな気持ちになりました。さらに日本人代表として日本人全員が感謝された気分にもなれました。(笑)まさに傘の “Pay It Forward”(恩送り) ですね。

商売の鉄則は、 「人をハッピーにする事」なのです。

路上で傘売りをする事、傘を買って約束の時間に遅れない事、傘を困ったいる人へ差し上げる事、、、すべて人をハッピーにすることなのです。 

Fujio Nakagawa
Fujio Nakagawa A Group Holdings 代表