アクタスコンサルティングで日本の地方の有力メーカーが、日本人ならではの高度な技術と素晴らしいアイデアで生み出した様々な製品をアメリカで流通させるため、エージェントとして日々奔走する松浦恵子。
松浦は日本で数年OLをした後、アメリカへ行こう!と決意してメリーランド州の大学に留学。卒業後、もう少しアメリカに居ようかな、アメリカでも仕事をしてみようかな、という軽い気持ちで就職活動を開始。就職先を探すために登録した人材紹介会社のアクタスの社長にその自由奔放なエネルギーと前向きな気持ちを買われてスカウトされる。まだ立上直後だったアクタスは社員は社長と同僚と松浦の3人。松浦は営業とマーケティングを担当し、がむしゃらに企業を訪問する毎日が続いた。業績も伸び、3年後にはロサンゼルス支店をオープンするため、支店長として単身カリフォルニアに転勤。ニューヨークとは全く違うマーケットに乗り込み、市場調査からはじめ、市場にあったオペレーションの確立や顧客開拓、そして人材の採用、トレーニング、とビジネスの何から何までを経験。この時の経験が今のこのエージェントビジネスに大いに役に立っている、そして「リーダーになるとは、を考えさせらる良い時期でした。」と松浦は語る。

松浦が今手がけているエージェントビジネスとは、一言で表現すると、日本の企業がアメリカ市場で自社製品の展開をしていくためのサポート業務全般。具体的には市場調査を行った上で、アメリカ市場にあった商品企画の提案、価格設定やパッケージデザインのアドバイスの他、販売、代金回収、流通手配、在庫管理などの日常業務、と多岐多様に渡る。
アメリカで仕事をしたいと希望する多くの求職者に希望の職種は?と尋ねると、「日本とアメリカの懸け橋になる仕事」と答える。このエージェント事業の仕事はまさにそのもの。アメリカの小売店に向けて商品を販売していくので、市場は限りなく大きい。例を挙げると、アメリカの最大手日用品チェーン、Bed Bath and Beyondは全米で1500店舗。アクタスが扱っている弁当箱(卸売価格$10)が全店で1日1個売れたとすると、年間の売り上げは、軽く5億円を超えることになる。

華やかな仕事のように聞こえるかもしれないが、実は陰の立役者で、目立たない苦労も多い。
「アメリカで商品を販売する上で、ブランディングの確立は必須で、そしてマーケティング戦略を練っていく必要がありますが、日本の企業の方にその事を理解頂いて、二人三脚で商品開発とビジネスの体制を整えていくのは、非常にチャレンジングです。特にアメリカの市場やビジネス習慣をご存知でなかったりすると、本題に入る前に、そのあたりの事情を説明して、納得して頂く必要があります。特に日本とアメリカは時差があり、顔が見えないEメールでのやり取りが日常の為、いかにスムーズにコミュニケーションを取っていくかは、日々工夫するようにしています。」

猛スピードで進化が進む最近のマーケティング。特にソーシャルメディアのフル活用を避けては通れない。改めてマーケティングを勉強したいと、松浦は仕事をしながら大学院の学生として夜の授業に通いスキルアップにも余念がない。多くのクラスメートが同じようにフルタイムで仕事をしながらの大学院での勉強なので、クラス全体のモチベーションが高く、クラスメートから学ぶことも刺激されることも多いと言う。また、ここで日本人ではないコミュニティーでの本音を聞くこともできて、仕事にも多いに役にたつ。仕事と勉強に追われて超多忙な毎日だが、こういった経験は間違いなく松浦の糧になっているし、仕事を倍楽しませてくれる。

高齢化社会に加え少子化が進む日本では消費が減る一方。更にこれまで順調に伸びてきたアジア市場も先行きが不安定になっている今、やはりアメリカは世界一のマーケット。松浦のもとに届く日本企業からの問い合わせも断然増えている。

そういった企業の多くは地方の有力企業。技術力があって、アメリカ市場進出に大いに興味があったとしても、英語でのビジネスにしり込みをしたり、そもそもアメリカ市場自体に馴染みがないので何をどうしたらよいのかわからなく、進出の第一歩が踏み出せずにいる企業が多いと松浦は感じている。

「私たちはそういった企業のサポートをして、日本の素晴らしい商品をアメリカの大手チェーン店に、どんどん流通させること」

それが、目下の松浦の大きな夢だ。

A GROUP CAREER HISTORY

2004年3月 アクタス入社
2007年5月 ロサンゼルス支店立ち上げのため、ブランチ・マネージャーとして転勤
2009年8月 ニューヨーク本社に戻り、営業ディレクターとして営業戦略を担当
2012年5月 エージェント部門立ち上げ。エージェント事業ディレクターとして現在に至る。
A Group Staff
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